イベント・行事案内
黒野清宇の書
場所:愛知県春日井市道風記念館
日時:令和元年10月18日(金)~11月4日(月・祝)
   午前9時~午後4時半
   休館日:月曜日(28日、4日は開館)
観覧料:一般100円、高校生・大学生50円、
中学生以下無料
ギャラリートーク:10月20日(日)午後1時30分~
      講師 村瀬俊彦氏
(日展会友、中部日本書道会理事)
第38回日本刻字展特別選考委員長賞
 この度、第38回日本刻字展に於いて特別選考委員長賞を戴きました。
これは委嘱・無鑑査・一般公募の中から外部審査員が選考するというもので、思いがけない受賞に驚きと喜び、そしてこれからの制作への責任を感じております。
 今回は「光炎」の二文字を甲骨文をもとに陽刻で着色銀箔を使用し、いつもより工芸的な要素を強くした作品になりました。
 ご指導頂いている丹羽芝水先生や楽しみながら共に刻字を学ぶ「刻一刻」グループの仲間に感謝し、この受賞を励みに今後一層精進して参りたいと思っております。

横山朋子
初見一雄先生を偲んで
師匠、初見一雄先生に出会ったのは、同じ職場の三和中学校でした。出世や欲の為ならば形振り構わず目的を果たす人を多く見てきましたが、まるで泥中の蓮花のような清らかな心を持った人物が存在した事に驚きと感動で心が洗われるようでした。また、生徒個々の個性を重視した学習指導は教育界から高い評価と注目を集めました。50歳の時、教育職を辞めプロの書作家に成りましたが苦難の道程でした。敵は己だと謙虚な姿勢で努力する真の書作家魂を学ばさせて頂きました。
私の人生最大の目標でした師匠、初見一雄先生は人生の前半を優れた教育者として、後半を個性豊かな鬼才とも言うべき書作家として、95歳の生涯を閉じました。師からは、書はもちろん物の見方や考え方等々人間として有るべき姿を学び、衷心より初見一雄先生に出会えて良かったと思っています。作品は作家の人間性を表現すると言われます。師の作品を見ながら己の人格を高めていきたいと思っています。師は私の心の中にいつまでも生きています。

柴 茂雄


初見一雄先生との思い出

あれは寒鷗先生の第三次詩書展を、中国成都にて開催した時のことです。成都から重慶を通って、武漢まで、長江を下る船の旅でした。一日一度、各都市に下船して美術館や文化を学び、又文物商店に寄ってお宝を探すのが楽しみでした。夜は、船長主宰のパーティーがあり、大いにお酒を飲みながら、今日のお宝を見せ合うのです。またお酒を飲み、先生方の蘊蓄を聞き、飽きると、そっと抜け出し、夜の甲板に出るのです。やはり飽きたと思われる、若者一人、また一人と集まります。
美人二人と色男二人、満天の星が、より一層輝いて見えました。次の朝、重い瞼をこすりながら甲板に出ると、昨夜とは打って変わって、静寂が支配している甲板に、一雄先生が独り佇んでいました。覗き込むと、もの凄い勢いで筆ペンを走らせ、風景を書いておられました。恵比須様の様な、にこやかなお顔で、「おはよう」と。それから暫く、南画の事を教えて下さいました。
その後、幾年も経ち、お見掛けしたのですが、大変お偉い先生でいらっしゃるので、ご挨拶を躊躇っていたら、一雄先生の方から「齊藤さんじゃない。元気でしたか?」と、声を掛けて頂いたときは、嬉しさと恥ずかしさで、汗びっしょりになった事をよく覚えています。
書は、もちろんの事、人としての深さをお会いするたびに学ばさせて頂き、人との出会いは、回数ではなく、その時何を感じるかで、その人が自分の中に残っていくのだなと、つくづく思いました。文人としての豊かさ、厳しさを学ばさせて頂き、私もこんな所を次に伝えていけたら役に立つのかなと。「初見一雄先生、ありがとうございました。」

齊藤洪生